
はじめに
「白目が真っ赤に充血している」
「朝起きると目やにで目が開けにくい」
「目がゴロゴロして痛い」
「家族や職場の人にも似た症状が出ている」
このような症状は、結膜炎のサインかもしれません。
結膜炎には、ウイルスや細菌による感染性のものと、花粉やハウスダストなどによるアレルギー性のものがあります。なかでも、アデノウイルスによって起こる「流行性角結膜炎」は、一般に「はやり目」と呼ばれ、非常に感染力が強い病気です。夏場はプールや旅行、家族との接触機会が増えるため注意が必要ですが、流行性角結膜炎は季節を問わず発症する可能性があります。
目やにや充血を「疲れ目だろう」と放置すると、周囲へ感染を広げたり、角膜に炎症が及んで、かすみやまぶしさが長引いたりすることがあります。この記事では、結膜炎の種類や、はやり目の症状、職場・家庭・学校での感染予防、眼科での検査・治療について、東京駅・京橋駅近くの「京橋いしづち眼科」が分かりやすく解説します。最後までご愛読頂けますと幸いです。
結膜炎とは?
結膜とは、白目の表面とまぶたの裏側を覆っている薄い膜です。この結膜に、ウイルスや細菌、アレルギーなどによる炎症が起こった状態を「結膜炎」といいます。
結膜炎になると、次のような症状が現れることがあります。
・白目の充血
・目やに
・涙が増える
・目のかゆみ
・ゴロゴロする異物感
・まぶたの腫れ
・目の痛み
・まぶしさ
・かすみ、見えにくさ
症状だけで原因を正確に判断することは難しく、ウイルス性結膜炎に見えても、細菌性結膜炎やアレルギー性結膜炎、角膜感染症などが隠れていることがあります。

結膜炎の主な4つの種類
① ウイルス性結膜炎
ウイルス感染によって起こる結膜炎です。特に感染力が強いものは「はやり目」と呼ばれ、主に次の3つがあります。
・流行性角結膜炎
・咽頭結膜熱
・急性出血性結膜炎
急激な充血や大量の目やに、まぶたの腫れなどが現れやすく、人から人へ感染するため注意が必要です。
② 細菌性結膜炎
黄色ブドウ球菌や肺炎球菌、インフルエンザ菌、コリネバクテリウムなどの細菌によって起こる結膜炎です。黄色や緑色をした粘り気のある目やにが多く出ることがあります。細菌の種類や目の状態に応じて、抗菌点眼薬などで治療します。
③ アレルギー性結膜炎
花粉やハウスダスト、ダニ、動物の毛、コンタクトレンズの汚れなどに対するアレルギー反応によって起こります。強いかゆみを伴うことが多く、左右の目に同時に症状が出やすいことが特徴です。感染症ではないため、ほかの人にうつることはありません。
④ クラミジア結膜炎
クラミジア・トラコマチスという病原体によって起こる結膜炎です。症状が長引きやすく、通常の抗菌点眼薬だけでは改善しない場合があります。成人では性感染症に関連して発症することがあるほか、出産時に母子感染することもあります。症状や経過によっては、点眼薬だけでなく内服薬を使用する場合があります。
はやり目(流行性角結膜炎)とは?
流行性角結膜炎は、主にアデノウイルスによって起こる感染力の強いウイルス性結膜炎です。感染した人の涙や目やにに含まれるウイルスが、手指やタオル、ドアノブなどを介して目に入ることで感染します。感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は、一般的に約1~2週間です。急に発症し、片目から始まった後、反対側の目にも症状が出ることがあります。
はやり目の主な症状
はやり目では、次のような症状が現れます。
・白目の強い充血
・大量の目やに
・涙が多く出る
・まぶたの腫れ
・目のゴロゴロ感
・目の痛み
・耳の前にあるリンパ節の腫れや痛み
・光をまぶしく感じる
・目がかすむ
症状が強い場合は、まぶたの裏側に「偽膜」と呼ばれる白い膜ができることがあります。
また、炎症が角膜に及ぶと、角膜びらんや丸く小さな濁りが多数生じ、目の痛み、まぶしさ、かすみなどが現れることがあります。角膜の濁りは、結膜炎の症状が落ち着いた後も残る場合があります。
はやり目の症状はどのくらい続く?
流行性角結膜炎は、発症後2~3週間程度で症状が改善していくことが一般的です。ただし、症状の強さや角膜への影響には個人差があります。初期には急激な充血や目やにが現れ、その後、角膜に炎症が及ぶことで、かすみやまぶしさが遅れて現れることもあります。「目やにが減ったから治った」と自己判断して点眼を中止すると、角膜の炎症を見逃す可能性があります。症状が軽くなった後も、医師から指示された時期に再診することが大切です。
はやり目はどのように感染する?
流行性角結膜炎の主な感染経路は接触感染です。感染した人の涙や目やにには、多くのウイルスが含まれています。感染者が目を触った手でドアノブや机、タオルなどに触れ、その場所を別の人が触った後に自分の目を触ることで感染が広がります。
感染源になりやすいもの
・タオル、ハンカチ
・枕や枕カバー
・洗面所の蛇口
・ドアノブ
・パソコンのキーボードやマウス
・電話機
・スマートフォン
・目薬の容器
・化粧品やメイク用品
アデノウイルスは環境表面に残りやすく、一部の消毒剤にも抵抗性があります。そのため、消毒だけに頼らず、石けんと流水による手洗いを基本とすることが重要です。

家庭・職場でできる感染予防
① 目をできるだけ触らない
目やにや涙を拭いた後は、ほかの物に触れる前に手を洗いましょう。目をこすった手で反対の目を触ると、もう片方の目にも感染が広がることがあります。
② 石けんと流水で手を洗う
帰宅後や食事の前後、点眼の前後、目やにを拭いた後は、石けんと流水で丁寧に手を洗いましょう。タオルで目を直接拭くのではなく、使い捨てのティッシュや清潔なガーゼを使用し、使用後はすぐに処分してください。
③ タオルや寝具を共有しない
家族間でも、タオルやハンカチ、枕、洗面用品などの共用は避けましょう。洗濯できるものは分けて管理し、使用後は適切に洗濯してください。
④ 目薬を共有しない
目薬の容器を家族で共有すると、容器を介して感染する可能性があります。点眼するときは、容器の先端がまつ毛やまぶた、目の表面に触れないよう注意しましょう。
⑤ コンタクトレンズを中止する
結膜炎の症状がある間は、コンタクトレンズの装用を中止し、メガネに切り替えてください。感染中に使用したコンタクトレンズや保存ケース、ケア用品を再び使用してよいかどうかは、眼科医に確認しましょう。
⑥ 共用物品を清潔にする
職場では、キーボード、マウス、電話機、ドアノブなど、複数の人が触れる場所から感染が広がる可能性があります。職場へ出勤する場合は、こまめな手洗いを行い、勤務先の感染対策や医師の指示に従ってください。
結膜炎のときはプールに入ってもよい?
結膜炎の症状がある場合は、自己判断でプールに入らないようにしましょう。「ゴーグルをすれば大丈夫」とは限りません。更衣室やタオル、手すり、洗面設備などを介して感染が広がる可能性があります。プールへの復帰時期は、症状だけで判断せず、眼科医や学校、施設の指示を確認してください。なお、「プール熱」と呼ばれる咽頭結膜熱と流行性角結膜炎は、どちらもアデノウイルスによる病気ですが、異なる疾患です。
学校や幼稚園はいつから登校できる?
流行性角結膜炎は、学校保健安全法における「第三種の感染症」に含まれます。幼稚園や学校などでは、医師が感染のおそれがないと認めるまで出席停止となります。充血や目やにが軽くなっただけでは、感染力がなくなったとは判断できません。登園・登校を再開する時期については、診察を受けた眼科医と学校の指示に従いましょう。職場については、学校のような一律の出勤停止基準はありません。ただし、感染力が強いため、勤務先へ症状を伝え、眼科医と相談しながら出勤の可否を判断することが大切です。
眼科を受診した方がよい症状
次のような症状がある場合は、早めに眼科を受診してください。
・白目が強く充血している
・大量の目やにが出る
・まぶたが大きく腫れている
・目が痛くて開けにくい
・光を強くまぶしく感じる
・目がかすむ、視力が低下した
・黒目に白い点や濁りが見える
・症状が数日続いている
・家族や職場で同じ症状の人がいる
・コンタクトレンズ装用中に症状が出た
特に、コンタクトレンズ使用者の強い眼痛や充血、視力低下は、結膜炎ではなく角膜感染症によって起こっている可能性があります。重症化すると視力に影響することがあるため、レンズを外して早めに受診しましょう。
眼科で行う結膜炎の検査
① 問診
症状が始まった時期や、目やにの状態、かゆみ・痛みの有無、家族や職場での発症状況などを確認します。コンタクトレンズの使用状況や、最近のプール利用、旅行歴なども診断の参考になります。
② 細隙灯顕微鏡検査
専用の顕微鏡を使用し、結膜や角膜の状態を詳しく確認します。充血の状態だけでなく、角膜に傷や濁りがないか、まぶたの裏側に偽膜ができていないかなどを調べます。
③ アデノウイルス抗原検査
症状や診察所見から必要と判断した場合には、涙や結膜から採取した検体を用いて、アデノウイルス抗原の迅速検査を行うことがあります。ただし、検査が陰性でも、検体を採取した時期やウイルス量によっては感染を完全に否定できない場合があります。診察所見や周囲の流行状況を含めて総合的に判断します。
結膜炎の治療方法
結膜炎の治療は、原因によって異なります。
① ウイルス性結膜炎
流行性角結膜炎を含む多くのウイルス性結膜炎には、ウイルスを直接排除する一般的な特効薬はありません。治療は、目の炎症や不快感を和らげながら、自然に回復するのを待つ対症療法が中心となります。角膜の炎症や濁りがある場合には、状態に応じて抗炎症点眼薬などを使用することがあります。ステロイド点眼薬は、眼圧上昇や別の感染症を悪化させる可能性があるため、市販薬や以前処方された薬を自己判断で使用しないでください。
② 細菌性結膜炎
細菌性結膜炎には、原因として考えられる細菌や症状に応じて、抗菌点眼薬を使用します。処方された回数や期間を守って使用することが大切です。
③ アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎には、抗アレルギー点眼薬などを使用します。症状が強い場合には、眼科医の管理のもとで抗炎症点眼薬を使用することがあります。
市販の目薬だけで治してもよい?
結膜炎の原因を、症状だけで正確に判断することは難しいため、強い充血や目やにがある場合は市販薬だけで様子を見続けないようにしましょう。充血を一時的に抑える目薬を使うと、見た目の赤みが軽減しても、感染や角膜の炎症が続いている場合があります。また、家に残っている抗菌点眼薬やステロイド点眼薬を自己判断で使用すると、正確な診断が難しくなったり、症状が悪化したりする可能性があります。目やにや充血、痛みが続く場合は、眼科で原因を確認することが大切です。

東京駅・京橋周辺で結膜炎にお悩みなら「京橋いしづち眼科」へ
結膜炎は、原因によって治療方法や周囲への感染性が異なります。アレルギー性結膜炎だと思っていたものが感染性結膜炎だったり、単なる結膜炎だと思っていた症状の背景に角膜感染症が隠れていたりすることもあります。京橋・八重洲・東京駅周辺で、目やにや充血、目の痛みにお悩みの方は、京橋いしづち眼科へご相談ください。
① 角膜・眼感染症に精通した医師が診療
京橋いしづち眼科の理事長・鈴木崇は、角膜、眼感染症、コンタクトレンズを専門とし、日本眼感染症学会および日本角膜学会の評議員、日本コンタクトレンズ学会の理事を務めています。結膜の状態だけでなく、角膜への炎症やコンタクトレンズによる障害がないかを確認し、症状や検査結果に合わせた治療をご提案します。「ほかの眼科で治療を受けたものの、充血や目やにが続いている」という方もご相談ください。
② 感染性の有無を含めて総合的に判断
当院では、症状の経過や目やにの状態、周囲での発症状況などを確認し、細隙灯顕微鏡を用いて結膜や角膜を詳しく診察します。必要に応じて、目やにの顕微鏡検査やアデノウイルス抗原検査などを検討し、ウイルス性、細菌性、アレルギー性を総合的に見分けます。
③ 京橋駅1番出口から徒歩1分、東京駅から徒歩6分
当院は、東京メトロ銀座線「京橋駅」1番出口から徒歩1分、都営浅草線「宝町駅」A4出口から徒歩2分の場所にあります。JR各線「東京駅」からも徒歩6分のため、京橋・八重洲・日本橋・銀座周辺で勤務されている方にも通院していただきやすい立地です。目やにや充血がある場合は、院内での感染対策が必要になることがあります。来院時は、目を触らず、可能な範囲でマスクの着用や手洗いにご協力ください。
結膜炎の診察はWEBからご予約いただけます
目やに、充血、目の痛み、まぶたの腫れなどがある方は、WEBから一般診察をご予約いただけます。
コンタクトレンズを装用している方は、可能であればレンズを外し、メガネでご来院ください。付け替え用のレンズ、保存ケース、メガネをお持ちいただくと安心です。当院公式サイトでも、充血やかゆみなどがある場合は、まず一般診療を予約するよう案内しています。
よくある質問
Q.はやり目はいつまで人にうつりますか?
感染力が続く期間には個人差があります。充血や目やにが改善しても、感染力が残っている可能性があるため、日数だけで登校や出勤の可否を判断することはできません。学校や幼稚園への復帰については、医師が感染のおそれがないと判断する必要があります。職場への復帰についても、眼科医と勤務先へご相談ください。
Q.はやり目は両目にうつりますか?
最初は片目だけに症状が出て、その後、反対側の目にも感染することがあります。感染した目を触った後に、もう片方の目を触らないよう注意し、点眼の前後には手を洗ってください。
Q.市販の目薬で治りますか?
市販の目薬で、一時的に目の不快感が軽くなる場合はありますが、はやり目の原因となるウイルスを直接治すことはできません。また、結膜炎の原因によって適切な治療が異なるため、強い充血や目やにがある場合は眼科を受診してください。
Q.コンタクトレンズをつけたまま受診できますか?
目の状態を正確に確認するため、診察時にコンタクトレンズを外していただく場合があります。結膜炎が疑われる場合は、あらかじめレンズを外し、メガネで来院することをおすすめします。
Q.症状が軽くなったら点眼をやめてもよいですか?
結膜の充血や目やにが改善しても、角膜に炎症や濁りが残っていることがあります。医師から処方された点眼薬は、自己判断で中止せず、指示された期間と回数を守って使用してください。
まとめ
結膜炎には、ウイルス性、細菌性、アレルギー性、クラミジア性などがあり、原因によって治療方法や感染性が異なります。特に流行性角結膜炎、いわゆる「はやり目」は、感染力が強く、手指やタオル、ドアノブなどを介して家庭や職場、学校に広がる可能性があります。予防の基本は、石けんと流水による手洗い、タオルや目薬を共有しないこと、目を触らないことです。強い充血、大量の目やに、目の痛み、まぶしさ、かすみなどがある場合は、自己判断で市販薬を使い続けず、早めに眼科を受診しましょう。京橋いしづち眼科は、銀座線「京橋駅」1番出口から徒歩1分、東京駅から徒歩6分です。京橋・八重洲・日本橋・銀座周辺で結膜炎やはやり目にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
・日本眼科学会「ウイルス性結膜炎」
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=14
・日本眼科学会「ウイルス性結膜炎診療ガイドライン(2025年版)」https://www.nichigan.or.jp/member/journal/guideline/detail.html?itemid=894&dispmid=909
・厚生労働省「流行性角結膜炎」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-30.html
・国立感染症研究所「流行性角結膜炎とは」
https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/epidemic-keratoconjunctivitis/index.html
・国立感染症研究所「アデノウイルスの感染経路、消毒・滅菌法、予防法」https://idsc.niid.go.jp/iasr/29/338/dj3381.html

